『資本論』の成立 経済学史学会編集 1967 岩波書店


そうそうたるメンバーによる資本論研究。
1.マルクスに影響を与え、マルクスが批判的に研究した経済学の紹介
2.資本論の成立までの理論的経過
3.資本論刊行後の各国の反応
の3部からなる(正確な目次ではない)。
マルクスが、資本論を書くに当たって、どのように先人達の思想と格闘し、みずからの論理を確立していったか、その過程がよくわかる構成となっている。資本論を深く理解したければ、一読の価値はあると思う。
印象的なのは平田清明の他を寄せ付けない独自の論調である。価値の実在性など、一笑に付されている。あっぱれである。
手元に原本がないのでネットで目次を検索していたら、日本語訳の資本論に出会った。どうやら素人のお年寄りの方の訳のようだが、英語版からの訳であり、貴重である(訳には少し手を入れたくなる部分もあるが)。Urlを挙げておく。
http://www.marxists.org/nihon/marx-engels/capital/contents/index.htm
ついでに、労働価値説には批判的で、第1章の途中までだけだが、高校生らしき方が訳した物も見つけた(結構おもしろい)。
http://cruel.org/books/kapital/kapitalband1.pdf