共産主義者宣言 カール・マルクス著  金塚 貞文訳 太田出版 (1993/10)

共産主義者宣言
従来「共産党宣言」と訳されていたものです。

学生時代、統一教会と対決するためにオーバーホールのポケットに大月の文庫本版を隠して持っていったのが思い出されます。(笑)

それから数十年、金塚貞文の著作に興味を持ったことから読み直すことになりました。タイトルの変更は、柄谷行人の描いているとおりで、私も正しいと思います。ただ、本文中では他の党との対比で不自然になっていることは否めません。

たしかに当時(1848年)と現代では表面的には大きな違いがあります。いくつかの単語を置き換えることで現代の状況を明確に指摘していることは間違いありません。

もちろん、エンゲルスの影響がある部分を差し引いてのことですが。

「新自由主義」と言おうが「イメージの商品化」と言おうが、資本主義の本質は変わっていません。1行1行が現在の社会に対応しています。皆さんにも1行1行噛み締めながら読んでもらいたいものです。



⟨impressions⟩

It was previously translated as "Communist Party Declaration".

I remember when I was a student, I concealed Otsuki's paperback in my overhauled pocket to take on the Unification Church. (Lol)

Decades later, I became interested in the work of Sadafumi Kanezuka and decided to reread it. The title change was exactly as drawn by Yukito Karatani, and I think it was correct. However, it cannot be denied that the text is unnatural in comparison with other parties.

Certainly, there is a huge difference between the time (1848) and the present. There is no doubt that replacing some words clearly points out the modern situation.

Of course, I've subtracted the part that has the effect of Engels.

Whether you say "neo-liberalism" or "commercialization of the image," the essence of capitalism has not changed. Each line corresponds to the current society. I want you to read while biting down each line.




[出演者(プロフィール)]

マルクス,カール
1818‐83。ドイツの思想家、経済学者、哲学者、革命家。F.エンゲルスとともに、科学的社会主義の立場を創始し、19世紀共産主義運動・労働運動の理論的指導者となった。その理論的影響は、ロシア、中国など20世紀の革命と社会主義国家に大きく及んだ

金塚/貞文
1947年、東京都生まれ。早稲田大学文学部中退。評論家

柄谷/行人
1941年、兵庫県尼崎生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院英文学修士課程修了。漱石論「意識と自然」で第12回群像新人文学賞受賞



今日に至るまで、あらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である―。マルクス主義思想の最良の入門書として、世界中で広く読まれてきた本書を、いったんは他の選択肢すべてを殲滅したかに見えた資本主義の危機のなかで、もっともわかりやすい訳で、「党」の制約などとっぱらって、読みなおす。いま、もっともスリリングな思考の現場へ。




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