つちはんみょう  舘野鴻著 偕成社 2016/4/13

つちはんみょう  舘野鴻著 偕成社 2016/4/13

いい絵本です。都会に住んでいても、こういう本で幾らか自然に触れることができますね。

内容も、人知を超えた自然の素晴らしさ・不思議さが描かれていていいと思います。

でも、本当の自然はやっぱり自分の目で観て、手で触れなければならないでしょう。「読む」のではなく「感じる」ことが大切です。

感じるためには、田島征三のような絵がいいのかもしれないですね。



⟨impressions⟩

It's a good picture book. Even if you live in the city, you can get some natural experience with these books.

I think it would be nice if the content also depicts the splendor and wonder of nature that transcends human knowledge.

However, you will have to see and touch the true nature with your own eyes and hands. It is important to "feel" rather than "read".

In order to feel it, a picture like Seizo Tashima may be good.




[出演者(プロフィール)]

舘野鴻

1968年、神奈川県横浜市に生まれる。札幌学院大学中退。幼少時より熊田千佳慕氏に師事。1986年北海道へ渡り、昆虫を中心に生物の観察を続けるが、大学在学中に演劇、舞踏、音楽と出会い舞台に上がる。その後、舞台美術等の仕事をしながら音楽活動と昆虫採集を続ける。1996年神奈川県秦野に居を移してからは、生物調査の傍ら本格的に生物画の仕事を始め、図鑑や児童書の生物画、解剖図プレートなどを手がける。絵本に『しでむし』『ぎふちょう』、『こまゆばち』(澤口たまみ・文)『なつのはやしのいいにおい』、生物画の仕事に『ニューワイド学研の図鑑生き物のくらし』『ジュニア学研の図鑑魚』、『世界の美しき鳥の羽根鳥たちが成し遂げてきた進化が見える』などがある。



ツチハンミョウは、「道教え」として知られる美麗な「ハンミョウ」と異なり、地味で目立たない控えめな虫です。その繁殖方法は独特で、4000個の卵から生まれる体長1ミリにも満たない小さな幼虫は、寄生先となるハチの巣にたどりつくため、いろいろな虫にとりついていきます。わずか4日という寿命の中、種の存続のために決死の旅をする幼虫たちの道程を、緻密かつ力強いタッチで描きます。
物語の最後では、ようやくたどり着いた巣の中で対峙する、2匹の幼虫たちが描かれます。そのすがたは、わたしたちにいのちのあり方について考えさせます。
ツチハンミョウについては『ファーブル昆虫記』にも記述がありますが、この本の主人公で日本固有種のヒメツチハンミョウについては、あまり知られていませんでした。著者の舘野さんは、その生態を解明すべく、8年にも及ぶ生態調査を行ない、その一部を明らかにしました。巻末の解説では、その調査のようすや、生態のくわしいようすを、臨場感のある写真を交えながら紹介します。

衝撃のデビュー作『しでむし』や『ぎふちょう』などのうつくしい細密画で知られる、著者渾身の新作絵本。




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[ISBN-13 : 978-4034370704]


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