Raspberry Pi はじめてガイド―[Raspberry Pi 4完全対応]  山内直、大久保竣介、森本梨聖著 太田昌文監修 2021/03/06 技術評論社

電子工作

わたしは、電子工作をやったことはありません。小さい頃からやりたかったのですが、貧乏だったし、田舎だったので部品を売っている店もありませんでした。

1年以上も前でしょうか。藤原麻里菜さんを知って、彼女が電子工作(Arduino)をやっているのが面白そうでした。【無駄なものづくり】はとっても素晴らしいんだけど、身近なものじゃなくてコンピュータ制御をするのはどうかな、と思いました。

当時母から「時計を直してほしい」と言われていたのですが、わたしはそんな技術も知識もありません。それに直すより買ったほうが手っ取り早くて、安い、とも思いました。でも、「コンピュータで制御する】という誘惑は強かったのです。

超初心者向け

Raspberry Piの入門書はいろいろあります。この本は、どうして懐中電灯が点くのかわからない人でもRaspberry Piを使えるようになれるような本です。はじめに「Raspberry Pi」の歴史や特徴が書いているのはお約束です。

つぎに、OSのインストールの仕方です。それに70ページほどが費やされています。これを見て作業すれば大抵はうまく生きます。失敗しても、やり直せばいいのです。何回かやればやるほど、OSに親しみが湧くでしょう。失敗しないでインストールできた人より、多くを得ることができるはずです。それでも失敗したくない人は、諦めてください。

そのあと、Raspberry Piをサーバとして使う例が50ページほど書かれています。こんな小さなコンピュータでサーバができるなんてすごいと思いませんか。思わない人は飛ばしていただいて結構です。

つぎにPythonプログラムのことが40ページほど書かれています。まったくプログラムをしたことがない人でも、記載のとおりキーボードを打つことができれば、プログラムができたことになります。細かいことは、別に勉強すればいいのです。

さて、最後はRaspberry Piを使った電子工作です。取り上げられているのは5個程度ですが、とても発展性のある内容です。これがわかれば、各種のセンサーを使った回路を組むことができそうです。センサーの仕様が分かれば、自分で回路を組むことができます。そのために使う式は「電圧=抵抗×電流」だけです。私は中学校以来何十年がぶりに見ました。

逆に、この式が身近な人、電子工作をやった人、サーバを組んだことのある人は別の本を勧めます。でも、そうじゃない人も、この本で改めて自分の知識を再確認出来るでしょう。

万能の書ではありません。Raspberry Piを触ろうかどうか、これを読んで決めるといいと思います。あなたがRaspberry Piにあっているか、Raspberry Piがあなたにあっているかどうかがわかると思います。「行けるな」と思ったら、Raspberry Piを買うか、さらに別の入門書を買うか、すればいいと思います。

おすすめです。








[著者等(プロフィール)]

◆著者

山内 直(やまうち なお)

千葉県船橋市出身、横浜市在住。薬園台高校物理部にて8080搭載のワンボードマイコンに出会い、それ以来公私ともにコンピュータ漬けの生活を送っている。電気通信大学在学中から執筆活動を開始、秀和システムでの開発者・編集者業務を経て、現在は個人事業「たまデジ。」にて著者・編集者・開発者・講師として幅広く活動中。書籍では1章から5章の執筆全般を担当。

大久保 竣介(おおくぼ しゅんすけ)

三重大学大学院工学研究科電気電子工学専攻 博士前期課程在学中。
主に深層学習を用いた歩容解析についての研究を行う。
片頭痛持ち。電子工作で常に自室の気圧を監視し、スマホに通知するシステムを組むためRaspberry Piを始めたらしい。
最近はWeb開発やアプリ開発にも興味がある。
趣味は音楽と読書とプログラミング。
書籍では6章の文章構成・電子回路知識・プログラムを担当。

森本 梨聖(もりもと りせ)

国立三重大学工学部在学中。
電気電子工学科で画像認識による自動記録システムに取り組む。
電子工作やプログラミングは大学で初めて経験。Raspberry Piを卒業研究の動画撮影に活用している。
音声認識に興味があり、現在は余命短い父との会話を記録し「父チャットボット」の作成を検討中。
趣味は音楽制作と小説執筆。
書籍では6章の実機実装の手順解説、写真撮影などを担当。


◆監修

太田 昌文(おおた まさふみ)

Japanese Raspberry Pi UsersGroup主宰。Raspberry Pi公式サイトモデレータ。国内外(主に中国・台湾などアジア県内)でのRaspberryPiの普及啓発活動に取り組む。著書に「RaspberryPi[実用]入門――手のひらサイズのARM/Linuxコンピュータを満喫! (技術評論社、共著・監修)」や「楽しいガジェットを作るいちばんかんたんなラズベリーパイの本(インプレス、共著)」がある。Webメディア寄稿やインタビュー、登壇などの活動も行う



はじめての人も最大限Raspberry Piを楽しめるやさしいガイドです。 Raspberry Piの人気の用途、デスクトップ、サーバー、プログラミング、電子工作がこれ一冊で全部わかります。カラーイラスト掲載&写真やスクリーンショット多数ではじめての方も学びやすいです。 Raspberry Pi 4&Raspberry Pi OSに完全対応。3B+/3Aも解説しています。
(こんな方におすすめ)
・ Raspberry Piに興味があって購入したホビーユーザー
・子供への教育などでRaspberry Piを購入した人
・ Raspberry Piをとりあえず買ってみたが使いみちが思いつかない人

(目次)
第1章 Raspberry Piをはじめよう
1-1 Raspberry Piの世界にようこそ
1-2 Raspberry Piのラインナップ
1-3 本書でRaspberry Piを楽しむために必要なもの
1-4 チェックしておきたいRaspberry Piアクセサリー
第2章 OSを入れよう
2-1 Raspberry PiのOSを知ろう
2-2 OSを用意しよう
2-3 Raspberry Piを起動しよう
2-4 初期設定と動作確認を行おう
2-5 ネットワークを設定しよう
第3章 デスクトップパソコンとして活用しよう
3-1 Raspberry Piとデスクトップパソコン
3-2 デスクトップOS/サーバーOSの考え方
3-3 GUIの基本操作
3-4 フォルダとファイルの基本操作
3-5 アプリケーションを使いこなそう
3-6 Raspberry Pi OSの設定を変更しよう
3-7 Raspberry Piでゲームをプレイしよう
第4章 サーバーとして利用しよう
4-1 Raspberry Piとサーバー
4-2 Raspberry Piのコマンドの基本操作
4-3 WebサーバーでWebサイトを表示しよう
4-4 ファイルサーバーとして利用しよう
4-5 手元のパソコンからサーバーにアクセスしよう
4-6 さらに高度なサーバー
第5章 プログラミングを楽しもう
5-1 Raspberry Piとプログラミング
5-2 Pythonを動かそう
5-3 インターネットから情報を取得しよう
5-4 サーバーをプログラミングしよう
5-5 AIの技術「機械学習」も試そう
5-6 Raspberry Piにあるたくさんのプログラミング環境
第6章 電子工作に挑戦しよう
6-1 Raspberry Piと電子工作
6-2 電子回路の基礎知識
6-3 LEDを光らせよう
6-4 LEDの光らせ方をプログラミングしよう
6-5 センサーで物までの距離を測ろう
6-6 一定の距離まで近付いたときにLEDが光るようにしよう
6-7 カメラで画像を撮影しよう
6-8 もっと電子工作




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