
世界六大宗教の盛衰と謎 - 一神教から多神教復活の時代へ
大澤正道がこんな本を書いているとは思わなかった。
内容は、六大宗教の解説がほとんどであるが、副題にもあるように、大澤の視線は、一神教が持つ排他性が世界にもたらした悲劇からの多神教の復活である。
「それぞれの民族が、それぞれの神々を信奉し、有無相通じていく多宗教と万類共存の習合以上に望ましい人類の宗教のあり方は考えられない。
民俗宗教を潰して世界宗教を打ち樹てるのではない。民俗宗教を活かし、共存と習合の実をあげる人類の宗教への門を開くのである。
それは実をいえば、古神道の時代から神道が日本の中でやって来たことでもある。それゆえ神道は多神教の時代の先導役として、世界に貢献する使命を担っているのである。」p.241
これだけを読むと、どこかの右翼の文章のようである。情けない。どうしてしまったんだろう。「民族」の定義すらまともにしないで宗教を論じることはできない。
アメリカの民主主義を支えるアメリカ教(キリスト教)についての記述はおもしろい。人種のるつぼであり、宗教のるつぼであるアメリカが、アメリカという国家を宗教で成立させているのである。(映画「コンタクト」でいわれる神もアメリカの神である。)科学と、民主主義と一神教は共存(補完しあう)するのである。
Sun Apr 15 01:51:50 2001
| <課題> 近代思想観と宗教(キリスト教) 民族と宗教の概念整理 |
