構造主義 北沢方邦 1968 講談社現代新書

構造主義

構造主義


 20世紀後半には3つの切断点がある。1945,1968年そして1990年である。この本は1968年の革新的雰囲気にあふれている。


 構造主義は、近代的思考(合理的思考)を否定するために共時的構造(冷たい社会にも熱い社会にも共通な)を見つけだす。いわば、近代知によって近代知を乗り越えようとする試みである。構造をとらえるのは数学的な手法であるが、数学こそ抽象化の極みである。


 教育によって「構造的人間」が生まれ容易に隠された構造を見つけるということを期待できることは羨ましい。新しい社会(構造)を期待できる時代の影響であろう。彼はまだユートピア(大きな物語)を見ることができるのだ。


 いま、ユートピアはなくなった。あるのは今日であり、明日であり、昨日である。個人の人生全体を共時態的歴史として、一瞬の隙間から射し込む光としてとらえるということだけである。


 近代知の中で、近代知を使い、非合理性(非決定性)を見つけること、近代知の土台をずらすこと、それが68年以降の流れである。
Sun Jun 17 09:18:51 2001