ハコブネ 村田沙耶香 集英社 (2011/11/4)



「星が吸う水」に続く、個人にとっての性を女性の視点から扱った作品。

女性の「大地感覚」がうまく現れている。

登場人物三人が三様の感覚で自分の性と向き合っている。みんな可愛そうだ。どうしてこんなに自分に悩まなければならない世界なんだろう。「不条理」だと思う。「自分探し」が、「自分の肉体」と直接関わる感触。頭でっかちの男性にはあまりない感覚。

でも、それは大切な感覚。人は、健康なときにはあまり感じない自分の肉体も、病気や怪我をしたとき、そして老化したりしたときには感じざるを得ない肉体としての自分。「自然の一部」としての自分。女性は、生理が来たり、胸が大きくなったり、子供を生んだり、閉経があったり、病気でなくても勝手に変化していく自分の肉体がある。しかし、社会は、社会に都合の悪い部分は表面に出さず、男性のように生きることを「表面上は」出さずに生きることを要求する。女性の女性性をうまく利用しながら。

セクハラ発言の議員さん、あなただって利用されてるんですよ。あと何年かすれば、あなたも「非生産的な人間」になるんですよ。そうなっても同じことが言えますか?