叛逆 マルチチュードの民主主義宣言  アントニオ・ネグリ, マイケル・ハート著, 水嶋 一憲, 清水 知子訳 2013/03/25 NHKブックス

叛逆 マルチチュードの民主主義宣言 (NHKブックス)原題は「宣言」ですが、「こういう社会(世界)を作りましょう。」と言ったものではありません。(共産党(共産主義者)宣言も同様です。)

2011年以降の世界的な大衆運動の総括的な文章で、初めインターネットで発表されています。

世界各地で、起こった(マルチチュード)大衆運動。それぞれは地域の特性を持った運動ですが、それらに共通するもの、それらから学ぶもの、を系統的にまとめて、今後の運動に活かすには何が重要化がかからています。

第1章では、それらの運動の主体を「借金を負わされた者」「メディアにつなぎとめられた者」「セキュリティに縛り付けられた者」「代表された者」に分けています。現状分析ですね。これはそのまま日本にも当てはまります。ただ、その殆どが自覚(意識化)してないんですよね。始めから諦めちゃってるのです。

第2章では、その自覚を促します。

第3章では「諸原理の宣言」として6つの闘争原理を上げています。「<共>の構成のための実例」として5つの実例が挙げられています。そして「新たな三権分立のためのアジェンダ」として三権をどのように変容させるかが書かれています。

そして<共(コモン)>を作り上げ<共>にアクセスする人として<共民(コモナー)>を定義し直します。

日本の状況は、諸外国に比べても運動の主体を強制する社会状況となっています。まずは機器を自覚すること。そして、諦めずに現存する<共>やコモンウェルスを見つけ、あるいは作り出すこと。その基盤は十分にあると思います。

小さなことでも疑問を持ち、考え、諦めないこと。それだけで世界は変わるのです。