100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集 福井県立図書館編、著 2021/10/20 講談社

面白かった。

新聞の書評で「面白そうだな」と思っていたのですが、やっと買いました(メルカリ¥570、送料込み)。

とても面白かったです。2時間ほどで読んでしまいました。全然知らない本もたくさんあったし、「正解」が分かったものも半分くらいありました。

でも、その「面白さ」に、私自身の「知的優越感」があるように思えます。傲慢ですね。「本の名前」を知っていることに何の意味があるのでしょうか。タイトルを知らなくてもいいと思います。大切なのは「読む」ことですから。

図書館の仕事

図書館物では、『図書館の主』(篠原ウミハル著)が面白かったです。『図書館の主』は本の内容も詳しく書いてあります。この本(『100万回・・・』)は、本の内容にはほとんど触れていません。内容(あらすじ)を書くということは、書いた人の解釈が必ず入るので、あえて避けたのかもしれません。図書館員としてあるべき立場だと思います。

図書館員の仕事は大変そうですね。でも、やりがいがあると思います。

「図書館は民主主義の砦なんです」(P.184)というのは、そのとおりだと思います。斎藤幸平さんが『人新世の「資本論」』で書いているように、図書館は〈コモン(公)〉です。〈コモン〉がない「民主主義」は「対立する〈個〉の集まり」にすぎません。そこでは「弱肉強食」と「社会ダーウィニズム」がはびこっているでしょう。つまり「新自由主義」の社会です。

さあ、図書館員を喜ばせに(困らせに?)行こうかな。







「とんでもなくクリスタル」「わたしを探さないで」
「下町のロボット」「蚊にピアス」
「おい桐島、お前部活やめるのか?」
「人生が片付くときめきの魔法」「からすのどろぼうやさん」
「ねじ曲がったクロマニョンみたいな名前の村上春樹の本」
「八月の蝉」「大木を抱きしめて」
「昔からあるハムスターみたいな本」
だいぶつじろう 池波遼太郎
……
利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力にリスペクト。
SNSでもバズりがとまらない!
クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント。
あなたはいくつ答えられる?

* * *

本の正確なタイトルは、なかなか覚えづらいもの。そしてうっかり間違って覚えたタイトルを文字通りに想像してみたら、とんでもなくシュールでおもしろすぎる事態になっていることもしばしば。
そんな図書館利用者さんの「覚え違いタイトル」の実例を集め、HPで公開しているのが、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」。
本書は、そのなかから秀逸な「覚え違いタイトル」を厳選し、「覚え違い」を文字通りに表したイラストを添付。そしてページをめくれば「正しい書誌情報」と「司書さんによるレファレンス」が現れて……という仕掛けになっています。
読者のみなさんはきっと、利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力に驚嘆することになるでしょう。
クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント、ぜひご堪能ください!

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[もくじ]
○はじめに 「覚え違いタイトル集」、始めました
○厳選! 覚え違いタイトル集
○そもそもレファレンスって? 司書の仕事って?
○おわりに みんなの図書館

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100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集 福井県立図書館編、著 2021/10/20 講談社
100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集 福井県立図書館編、著 2021/10/20 講談社
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100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集 福井県立図書館編、著 2021/10/20 講談社


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