
ドゥルーズ初期-若き哲学者が作った教科書
「キリストからブルジョアジーへ」
彼の処女作である。若いエネルギーが感じられるが、意味はよくわからない。
キリスト教は、ブルジョアと同じく「自然と精神の媒介として、内的生活を内面化する」のである。それは、地所ではなく、貨幣を媒介することによって、対立を接触あるいは拡散へと変化させる。それによって私的生活と国家を媒介することが出来る。
「本能と制度」
各種の本からのアンソロジーである。はじめは「だまされた」と思った。ドゥルーズの著作だと思って購入したからである。
しかし、抜粋されたそれぞれの文章はとてもおもしろい。
ここでかかれているのは、単に動物(本能)と人間(制度)の違いではない。個と社会の関係を本能(欲求)と制度(充足手段)で表現するとき、個人の外部はいかにして内部なのか、意識は個人の内部なのか外部なのか(内部から発生するのか外部から作られるのか)、などが問題になってくる。それらを考える手始めとして、ここに引用された諸著作は大いに参考になるだろう。
後のドゥルーズの思想にもこれらの諸著作は影響を与えていると思える。
少なくとも、これを読んだだけで、ドゥルーズは若い頃から広範囲な知識を持っていたことがわかる。
ドゥルーズの入門書とはいえないが、その思想の原点を知る上で貴重な資料である。
