女の人生すごろく 小倉千加子 1990 筑摩書房

女の人生すごろく

ごろごろごろごろ・・。女の人生は回り続けるすごろく。生まれたときから、学生、OL、結婚、母になり子供を産む。その繰り返し。そしてそのすごろくにはいくつかの分かれ道があるものの、コースそのものを外れることは出来ません。

男は結構鈍感だから、学生時代も、社会に出てからも何も感じないかもしれませんが、女性は感性が優れているから、この本に書かれているようなことは身をもって体験していて、心のどこかで何かもやもやとしたものを感じているのだと思います。この本を読んだときに、きっと「当たり前じゃん」と感じる人が多いと思います。しかし、事実を感じていてもそれを認識していることにはならないのです。この本に書かれている当たり前の現実。これを読むことによって心のどこかにあった感情が言語化され、初めて認識されるのだと思います。

次はそれを変えていくこと。認識したもの・こと、認識した自分を含めて戦っていくこと。「それが出来るぐらいならとうにやってるわい。実際にやって反発を買ってやめていった人も何人も見ているよ。」
一人ではダメですね。でも、女性というのはライバル同士かもしれないけど、仲間を作るのも上手なのではないでしょうか。それと、あくまでも女らしく(つまり自分らしく)、そして男の論理を「ずらして」いくことが必要なのだと思います。