騎士団長殺し 村上 春樹 新潮社 (2017/2/24)



久しぶりに村上春樹を読んだ。4年ぶりの書下ろし長編だそうだが1部・2部で1,000ページを超える大作である。

相変わらずの村上節であるが、内容が画家の話なので、絵を書く私にとっては感じることが多かった。

ただ、クラッシックやジャズの話になると、私には状況がわからない。

この本の前に、安部公房の「密会」を読んでいたので比較してしまうが、村上の本では、突然ご都合主義的に分けのわからないものが出てきて(精霊?イデア?)話が進んでいく。結局その訳のわからないものは訳のわからないままページを使うだけで終わってしまう。安部公房の作品では精霊は出てこない。違和感はあってもそこにある現実のものが出てくるだけだ。それに比べると村上の本はファンタジー的である。

それはそれで村上の持ち味だが、それが悪い方向に出てしまって、ギャグ的になってしまっている。タイトルの「騎士団長殺し」の意味ももっと明確にすべきだと思う。

「1Q84」に戻って完結編(1〜3月)をぜひ書いてほしい。そして、ジョージ・オーウェルの「一九八四」との関係性を明確にしてほしい。