「廣松哲学と主権の現象学」三部作の結論部分である。
前半と後半を読みあいだにちょっと時間が経ってしまったので、全体の流れがわからなくなってしまった。
廣松渉が分からないと著者の意図通りのことが言えないかもしれないが、この本自体は決して難しくはない。(廣松渉の本はとても難しい。)廣松からの引用ももちろんあるが、著者の言葉で言い直していることが多い。そういう意味では廣松の入門書としてもいい。
本書は哲学書ではない。実践の書である。「反前衛主義」「反国家」を基調としながら、労働者の自主管理としての共産主義とは何かを語り、最後に「エントロピー」概念から生存の基礎としての環境は資本主義内では守れないことを明言している。
最近の異常気象の原因を海水温の上昇と説明されることがあるが、その海水温の上昇が何によって起きているのか、その原因を以下にすれば取り除くことができるのかについては明確に説明されない。拡大再生産を運命づけられている資本主義社会では決して解決できないのである。
10年前の本であるが、読み返す意味がある本である。
