電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019- 2019日 関和亮、真壁幸紀、湯浅弘章、山岸聖太、川井隼人監督

『電影少女』

私は、桂さんの大ファンです。もちろん『電影少女』も大好きです。『ななこSOS』と同じくらい好きです(笑)。

今回、Amazon Primeの無料お試しを「間違って」始めてしまいました。もちろん30日間でやめるのですが、せっかくのPrimeです。活用しなきゃ、ってことでPrime Videoで観ました。

『電影少女』は漫画を全巻持っています。2018年の西野七瀬バージョンも数回観ました。

『電影少女 2019』

今回は「悪のビデオガール」だそうですが、この設定(プロット)で桂さんは了解したのでしょうか。まるで「秘密兵器」のようなセリフがありますが、結局その真意はわかりませんでした。

莉久くん、いい演技しています。玲奈ちゃん、かわいい。大好きです。美月ちゃんも可愛いんだけど、なんか前敦の雰囲気がありました。私は前敦が苦手です(汗)。

記憶

『電影少女』の主題の一つは「記憶」です。記憶は人の行動を拘束したり制限するものか、人間であるというのは記憶を持つということなのか。記憶を失うことは、個人の死を意味します。私たちが死を恐れるのは、〈私〉がいなくなることで、私の意識がなくなることです。そして、その意識が記憶でできているのは間違いないでしょう。

記憶喪失を題材にした話は枚挙に暇がありません。コンピュータが「自意識」をもつためには膨大な「記録(データ)」が必要です。『絶対彼氏』のテーマの一つもそうですね。

記録と記憶には密接な関係があります。記憶を外部に出して対象とするのが記録です。記録は外化され対象化された記憶なのです。外化された記憶は個人が死んでもなくなりません。ですから、どんどん蓄積されていきます。蓄積された記録にどう対するのか、それがひとつの文化・思考形式を作ります。私たちが本や映像に、そしてコンピュータに象徴される機械にどのように関係するのかということです。

人が作り出したものを利用するのかされるのか、ということです。私たちは、機械やコンピュータを利用しているのでしょうか、されているのでしょうか。機械は人間の何百倍、何千倍の力を持っています。コンピュータも人の何万倍もの計算能力を持っています。それを人間は制御できるのでしょうか。いや、制御するとはどういうことなのでしょうか。

人に尽くすということ

『電影少女』は、人に尽くします。それは尽くされる人(男)の願望・夢です。どこか「メイド」に似ています。メイドは職業ですから、職業の範囲で「ご主人」に尽くします。職業でなければそれは「奴隷」です。どこか人(男)はそういう人(女)を求めています。「なにもないのに人の上に立ちたい」という気持ちは、他人を制御したい、支配したいという気持ちです。とてもエゴイスティックな考え方ですね。

人を制御したり支配したりする、あるいはできると考えるのは、何とおこがましいことでしょうか。それを「相手を思いやる」と言い換えても同じです。なぜ、人間同士の関係がこんなに難しいのでしょうか。

その考えは、動植物や、山や川に対しても適用されます。それらは人間が制御し支配するもの、できるもの、すべきものとなります。「相手を思いやる」気持ちが必要なら、動植物や自然・環境を思いやる気持ちも必要だと思います。それがなくて「相手を思いやる」というのは、どこが偽善的なものを私は感じます。

男女の恋愛ものでも、親子ものでも、刑事モノでも、AVでも、何でもいいのですが、それらは人の心を惹きつけます。人はそれに憧れながら、どこか「嘘くさい」ことを感じているのではないでしょうか。友情・愛情・思いやり、正義・善など、それらに憧れたり、目指したりすること、あるいはそれらは「理想」であって現実的ではないと思うこと。そういう葛藤のなかで、多くの人は生きています。

でも私は思うのです。どうして「愛」や「思いやり」がなければ、人は人と、人は自然と関係することができなのかと。逆になぜ「愛」や「思いやり」という言葉が存在するのかと。人と人、人と自然はそんな偽善を抜きに関係できるのではないのかと思っています。それができたとすれば、記録や記憶にどう関係するのかもわかってくるのではないでしょうか。







[スタッフ・キャスト等]

総監督:関和亮[wiki(JP)]
監督:関和亮 真壁幸紀[wiki(JP)] 湯浅弘章[wiki(JP)] 山岸聖太[wiki(JP)] 川井隼人[wiki(JP)]
チーフプロデューサー:大和健太郎[wiki(JP)]
プロデューサー:五箇公貴[wiki(JP)] 倉地雄大[wiki(JP)] 巣立恭平[wiki(JP)]
原作:桂正和[wiki(JP)] 『電影少女』[wiki(JP)]
脚本:喜安浩平[wiki(JP)] 山田能龍[wiki(JP)] 高野水登[wiki(JP)]
<出演>
山下美月[wiki(JP)]:神尾マイ
萩原利久[wiki(JP)]:叶野健人
武田玲奈[wiki(JP)]:朝川由奈
戸次重幸[wiki(JP)]:弄内洋太
森岡龍[wiki(JP)]:沢村雄介
小松和重[wiki(JP)]:太田和夫
黒木ひかり[wiki(JP)]:川島杏奈
新條由芽[wiki(JP)]:佐竹美優
大下ヒロト[wiki(JP)]:水谷航平
久保田康祐[wiki(JP)]:等々力守
岡田義徳[wiki(JP)]:松井直人
<ゲスト出演>
柾木玲弥(第1,6,12話)  桃月なしこ(第1話)  甲斐翔真(第2話)  三浦誠己(第3,4話)  根岸季衣(第3,9,11話)  広澤草(第3,8,10話)  川口和空(第4,5話)  中島琴音(第4,5話)  十味(第6話)  飯阪翔(第6話)  村田唯(第6話)  市川理矩(第7話)  石原壮馬(第7話)  山中崇(第8,10話)  吉増裕士(第11話)  ぎぃ子(第12話)


悪のビデオガール誕生! 彼女に魅了され道を踏み外す少年の運命とは?

山下美月(乃木坂46)・萩原利久W主演! 原作は『週刊少年ジャンプ』の黄金期を支えた作家、桂正和の代表作『電影少女』。
2018年1月期に連続ドラマ化し、西野七瀬の主演でも話題となった「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」に続く新シリーズとなる本作は、前作から一転し、“悪のビデオガール・神尾マイ"と、彼女によって道を踏み外していく少年の物語。
ビデオを再生した主人の望みを叶えるべく、その命令に忠実に従うマイ。その悪女的な魅力で人々を魅了し翻弄していく彼女の真の目的とは! ?
ダークファンタジーの新たなビデオガールの世界が始まる!


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