ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論 小林よしのり 小学館 (2012/8/22)



彼は「ウヨク」である。私は「サヨク」である。彼は「保守」であり、私は「革新」である。

だから、マンガという手段を使った彼のプロパガンダは嫌いである。

だが、この本に関しては、ほぼ同意見である。様々なデータを使った彼の論旨については、賛同できることが多い。

問題点がいくつかある。一つは、もとが連載であるための叙述の重複。まあ、これは仕方のないことであろう。

数字の出典が明確じゃないものが多い。数字で数字を批判している以上、その出典は明記すべきだ。編集者だって、アシスタントだっているのだから、そこは欄外にでも記載すべき。参考文献一覧だけじゃ十分じゃない。

「保守」と「進歩主義」の関係が曖昧。保守と言いながら、原発に変わる新しい資源や技術を賛美している。科学者は進歩主義者だと言いながら。

結局彼が原発反対なのは、放射能がどうのこうのというより、日本の独立性と安全保障のためだということのようらしい。