世界の言語入門 黒田龍之助著 2008/09/20 講談社現代新書

言語についてのエッセイ

図書館本です。外国語が苦手で言語コンプレックスの私がこんなタイトルの本を見たら、思わず手にとっちゃうじゃないですか(笑)。

日本語を含む九〇ヶ国語につての、それぞれ二ページのエッセイです。

あくまでもエッセイですから、「言語とは何か」なんて野暮な内容はありません。

個別言語研究は言語学と分かちがたく結びついている。ただし、本書は言語学の入門書ではない。それについてはすでに『はじめての言語学』(講談社現代新書)を上梓した。興味のある方はそちらを覗いていただければ幸いである。

本書は『はじめての言語学』の実践編として、個別言語に触れるためのイントロダクションの役割が果たせればと期待している。エッセイにどこまでの説得力があるか、なんともいえないのだが、読んでいるうちになにか外国語が勉強したくなってくれれば、著者としてはそれで充分なのである。(はじめに)

言語学に興味がある方はそちらをどうぞ。

ことばで世界を旅する

聞いたことがない言葉もあったりして、読んでいるだけで海外旅行をしているような気分になれます。

各言語はあいうえお順になっていて、各項目見出し(言語名)の下に、言語の系統と主な使用地域が書いてあります(コラムの「語族」P.188-190も参照)。日本語は「系統不明(日本)」となっています。ちなみにアイヌ語は「系統不明(日本)」です。「琉球(諸)語」はありません。中国語と広東語とは別項目です。

東北弁と鹿児島弁とJK言葉、違いはどこにあるのでしょうか。あるいは同じ「日本語」なのでしょうか。「日本国内で話されているから日本語」なんて単純に思えるのは日本人くらいなんじゃないでしょうか。

西洋人はアリストテレス以来、分類が大好きです。学者は分類することが仕事だと言っていいような気がします。分類すること(分けたりまとめたりすること)で、理解したと錯覚し、他人を錯覚させるのが学問です(笑)。

津軽弁のネイティブ(?)は数キロ範囲(だったかな?)で、相手の出身地がわかるそうです。きっとJK言葉も学校ごとに違うでしょう。それが、学校に所属することのアイデンティティになっているかもしれません。言葉は、相手に伝えることです。そして伝わったと確認するまでが言語(コミュニケーション)です。そもそも私の気持ちはあなたに伝わるのでしょうか。







[著者等]

黒田/龍之助
1964年東京都生まれ。上智大学卒業。東京大学大学院修了。東京工業大学助教授、明治大学助教授などを経て、現在はフリーランス語学教師。専攻は言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


90言語で世界一周!英語、仏語からサーミ語、ゾンカ語まで。

90の言語の魅力を生き生き語るエッセイ どの言語にも個性がある。NHKロシア語講座などで知られ、語学の達人が、各言語の魅力をさりげないウンチクをこめて紹介。語学が必ず好きになるガイドブック。


[ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062879590]

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